【行縢山、むかばきやま】
所在地 宮崎県延岡市行縢町
標高 雄岳 831M
雌岳 809M
写真 左雄岳 右雌岳
登山口標高200メートル
延岡市で山と言えばまず思い浮かべるのが行縢山というほど市民に親しまれている山である。
「東や大灘西や山並みよ」というばんば踊りの歌詞のとおりに東は日向灘を望み西は山また山の花崗斑岩の岩山で、雄岳と雌岳の二つの岩峰が対峙するユニークな山容は市内からも眺めることが出来る。
雄岳、雌岳の間を日本の滝百選にもえらばれた落差77メートルの行縢の瀧が隔てている。
雄岳頂上の高度感と遮るものもない360度の眺望もさることながら素晴らしいのは峠から500メートルほど奥の県民の森に至る渓流沿いの遊歩道である。
初夏の全山匂うように輝く若葉、秋の燃えるような紅葉と最奥部まで全長1キロに近い素晴らしい渓流に山歩きの醍醐味を満喫することができる。
頂上直下から北の尾根を抜けて県民の森に至る迂回路を利用して渓流を楽しんでから下山するのもいいだろう。
麓には青少年行縢の家や地ビールの工場に付属のレストランなどあり市民の憩いの場所となっている。
九州自然遊歩道の1角で標識登山道も整備され行縢神社前の登山口までバスの便もありファミリー登山に最適の山である。
通常人影もない県北の山々であるがこの山だけはいつ登っても何組かの登山者に会うことが多い。
宮崎交通行縢神社前で下車して1の鳥居をくぐると道は左右に分かれ左2の鳥居をくぐり行縢神社へ、右が行縢山登山道になる。境内にも10台程度の駐車は可能だし1の鳥居から右へ50メートルほどのところにも案内板と駐車場がある。
バス停から右折して200メートルほど行くと左折して上部駐車場への道がある。駐車場は5、6台のスペースしかないが行縢神社から登るのに較べ20分程度の短縮になる。なおこの駐車場に至る道は幅員が狭いので離合には十分注意しよう。休日はほとんど満杯だが平日は空いている。
登山道は流れに沿って時々左岸から右岸、右岸から左岸と横切りながら雄岳と雌岳の間を登るが木々が生い茂って夏場でもほとんど日陰になっている。
平成11年7月に新しく開通した新滝見橋。今は通行禁止になっている旧滝見橋よりさらに5分ほど登ったところで景観を少々損ねる嫌いはあるものの立派な鉄製の吊り橋ができた。いったん沢に下ってまた登っていたところがそのまま渡ることが出来るので楽になった。
新滝見橋は旧橋より上部に作られたため雄岳、雌岳の間から落下する滝をさらに近くから楽しむことが出来る。
登山口から40分ほどで滝壺に至る道があるので夏でも涼しい飛沫を浴びながら滝を見上げよう。登山道からはほんの3分程度の入り込みである。
ごつごつの岩の道が終わって大きな木の階段が現れるとすぐに峠である。
やっと峠に出ると山の神の小さな祠がある。雄岳と雌岳の鞍部のこの峠はいつも涼しい風が吹き抜けて格好の休憩場所だ。祠は荒れていたが平成14年12月1日に延岡山友会の手により再建された
峠から少し下ったところで道は二またに分かれ右は県民の森へ、左に下り沢を渡って頂上へと至る。
やがて杉木立の中の道が続くがそれが終わるところに最後の水場があり頂上への急坂になる。
頂上は花崗岩の岩場でその眺望と高度感は素晴らしいが狭くてすぐに絶壁になっているので転落等には十分気を付けよう。また夏場は岩が焼けてフライパンの上にいるようでゆっくりはできない。
頂上より青少年の家方面を見下ろす。
昼食は少し下った自然林の中か北側の尾根を迂回して県民の森まで下ってからゆっくりととろう。冬季は頂上の日溜まりのなかで展望を楽しみながらがいい。