【比叡山、ひえいざん】
所在地 宮崎県延岡市北方町
標高 918メートル
綱の瀬川を挟んだ対岸にある矢筈岳から眺めた比叡山。左端は矢筈岳の一部で右下の崖が比叡山第1峰、左矢筈岳の端の上が比叡山第2峰で右方向に続く尾根の先が大岩の展望台から比叡山主峰である。
登山口標高 310メートル
比叡山は、延岡市から高千穂町を経て熊本に至る国道218号線を北方町川水流先からのバイパスに上がらず旧国道を西に高千穂鉄道「槙峰駅」手前から鹿川渓谷方面に右折する。
巨岩、巨石のそびえ立つ1峰、2峰、3峰よりなり1峰の直下の千畳敷登山口から登る。
登山口にはトイレと案内板が完備され登山口の右に山の神の祠がある。
約3分で千畳敷に着くがここは第1峰直下の岩の広場で綱の瀬川の渓谷を挟んで対岸に聳える矢筈岳の大岩壁に目を奪われる。
靴のひもを締めなおして第1峰の裏側から第1展望台への急坂を岩や木の根に掴まりながらの40分の急登で白骨化した松の木がある絶壁の上の展望台に出る。
ここに立派な大理石の「祖母、傾国定公園比叡山」という標柱があり頂上と間違える人がいるがよく見ると細い岩尾根の上に道があり1、2、3峰が合流している760メートルのピークへと道は登って行く。
巨岩に程良く並んだ赤松の巨木にひかげつつじやみつばつつじの花が美しい。やがて見上げるような巨岩の狭い間隙にかけられた2本の鉄の梯子を登るとそこが864メートルの展望岩である。
晴れていれば大崩山、鬼の目山、鉾岳から丹助山、矢筈岳と抜群の眺望が楽しめる。
ここに荷物を置いてロープでいったん鞍部に下ってから15分ほどで山頂に着くが人工林に囲まれて眺望はきかない。
鞍部を少し登ったところで小山ほどある大岩のトンネルをくぐるがよく見ると大岩の端は30センチほど浮いているのが珍しい。
登山口手前千畳敷から見た比叡山第1峰の岩峰。この左斜面を50分ほど急登して岩尾根に出たところが第1展望台である。
千畳敷から仰ぐ第2峰と第3峰。ここで装備の点検に靴のひもを締め直して第1峰の基部を左側に回り込んで登山口に至るが、下山してきたときもこの千畳敷でほっとしながら残った飲料をとりながら綱の瀬川から吹き上げてくる風に涼をとり周囲の岩峰を眺めるのも格別である。
登山口の千畳敷は車を置いて徒歩5分ほどの広い岩の広場で頭上に比叡山第1峰を仰ぎ横に第2峰の岩峰、また深く切れ落ちた綱の瀬川を挟んで対岸に矢筈岳の大岩壁を眺めることができる。駐車場までは完全舗装でトイレ水場も完備していて家族連れのピクニックにも最適である。
第1峰の先端にある通称ローソク岩、一人がやっと立てるような岩の上に立っているクライマーを時々見かけることもある
第1峰展望所付近、千畳敷登山道から急坂を約50分で到達する。
今までの木の根に掴まり岩角をつかんで登ってきた木々に被われた斜面から急に開けた展望に目を奪われる。西に対岸の矢筈岳、北は第2峰の絶壁、南は遙か六法街道の山並みを望み東側は痩せた岩尾根の上に第2峰と第3峰合流点への登山道が続く。立派な大理石の標識があるので頂上と勘違いする人が居るが尾根を東側にたどり頂上に至るまではさらに1時間ほどかかる。
第1峰展望所から760メートルの各峰合流点まで登り終えるとあとは稜線を東へ大岩展望台から頂上までいくつかのピークを約1時間かけて越えて行く。点在する巨岩の上に配置された赤松など巨大な箱庭を思わせる風景の連続である。
花の季節の5月上旬からはアケボノツツジ、日陰ツツジにミツバツツジ、山ツツジなどが山道に咲き乱れ疲れた目を楽しませてくれる。
尾根筋に上がってから約1時間で切り立った大岩の間の僅かな間隙に取り付けられた鉄製の2本の梯子とロープに掴まり事実上の頂上ともいえる大岩の展望台に出る。視界を遮るものもない岩上で周囲の眺望を楽しみながらの昼食の味は素晴らしい。
北西方向の展望。左端きれいな三角錐の釣鐘山その右は日隠山、奥遠くに五葉岳から鹿納山の特徴のある突起を望むことが出来る。さらに右方には大崩前衛の地蔵ダキから大崩、鬼の目山方面を見ることが出来る。